協会概要
会長挨拶
一般社団法人国際環境研究協会
会長 大垣 眞一郎
環境の課題は大きく変化してきました。地球規模の気候変動、陸域から海域まで広がる新規汚染物質、新しい感染症のパンデミック、などがいま地球を覆っています。1960年代の我が国の環境行政が公害対策として始まった時期とはまったく様変わりしています。当時、大気汚染、水質汚濁、騒音などいわゆる公害とその被害がまず克服しなければならない課題でした。すなわち地域の課題が中心でした。いまは地域の課題の上に地球規模の課題が重く覆いかぶさっています。
大規模でさまざまな災害(地震、津波、渇水、火災、水害、火山噴火など)の頻発、さらには各地の国際紛争状況が相まって、不確実で見通しの悪い世界が広がっています。環境の課題の複雑さに不確実性という様相が加わり、その解決は容易ではありません。
一方、国連を中心としたIPCCやSDGsなどの活動の必要性も世界全体で共有されています。また、生命科学の画期的な発展、資源循環技術の革新、情報通信技術の急激な進歩、自然と都市の共存の工夫、人と知識の国際的交流の拡大など、未来に向けて多くの知恵と活動が生まれており、さまざまな努力が行われています。
地球の環境と地域の環境をより良くするためには、データに基づく現象の正しい認識、現象の機構解明、対応する科学技術や政策手法の開発など多様な側面からの革新が求められます。そのためには、さまざまな専門分野の構成員が専門分野を超えて緊密に協力していくことが必要です。
一般社団法人国際環境研究協会は、産官学民の研究者・技術者、行政官、一般国民が相互に情報交換するとともに、国際的な幅広い交流を促進し、環境研究・環境技術開発の推進を図り、地球規模での持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。