| 国際環境研究協会ニュース 2007年6月1日号(第132号) |
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片山 徹(専務理事)
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5月の薔薇の色鮮やかなアピールも終わり、6月になって沖縄に続いて九州南部が梅雨入りをしたと気象庁は発表しました。今年の梅雨は、少雨のようです。また首都圏の利根川水系のダム、近畿圏の琵琶湖は、現在いずれも水位が十数年来の低さです。今年の夏は、暑いと予報もされていることから、各方面への影響が心配されます。 5月から6月にかけて各種団体では、理事会・総会のシーズンです。本協会も5月30日に平成19年度第1回通常理事会・総会を芝パークホテルで開催いたしました。総会には環境省地球環境局研究調査室長補佐 名倉良雄氏、研究係長 高橋尚子氏にご出席いただきました。
審議事項としては、第1号議案平成18年度事業報告、第2号議案平成18年度決算報告でした。 まず事業報告としては、協会の自主事業の他、環境省、(独)国立環境研究所から受託した事業に関するものでした。自主事業としては、和文誌「地球環境」、英文誌「Global Environmental Research」の発行、協会ニュースの発行、会員相互の交流を目的とした「AIRIES環境懇話会」等を行いました。また平成18年度は本協会創立10周年にあたり、それを記念しての記念式典・講演会並びに記念パーテイを開催し、あわせて「創立10周年誌」を発行いたしました。 受託事業としては、環境省から主なものでは、@外国人研究者を受け入れ、日本国内での研究支援を行う国際交流研究事業、Aプログラムオフィサーを配置して地球環境研究総合推進費、環境技術開発等推進費の運営にあたる研究管理・支援事業、B環境省が実施する競争的研究資金制度における一連の業務を、効果的かつ効率的に運用するためのプログラムディレクターの配置による管理・支援事業、C地球環境研究総合推進費による研究成果を広く一般に公表するシンポジウム事業、D中国の黄砂対策におけるマメ科植物(クズ)の利用とバイオエネルギーの創出調査業務、E感覚環境設計に関する調査業務でした。その他に(独)国立環境研究所からの研究情報誌「環境儀」の作成業務等を行いました。 次に決算報告では、事業活動収入が2億2576万908円、事業活動支出が2億1672万7280円、事業活動収支差額が9百33万円628円の黒字という内容でした。 また「国立環境研究所友の会」は、平成13年度に設立されて以来、本協会内に事務局が設置され、その活動を支援してきましたが、同会は平成19年3月31日付けをもって解散されることになったことが報告されました。 以上、審議事項全てについて可決されました。
総会終了後、第6回AIRIES環境懇話会が開催され、国立環境研究所参与(前理事)西岡秀三氏から「低炭素社会の到来 −その必然性と実現可能性−」と題してご講演をいただきました。折から安倍首相は、「美しい星へのいざない」で「世界全体の温暖化ガスの排出量を現状から2050年までに半減する」との長期目標を発表し、それらと関連しての豊富な情報提示によるご講話は、誠に時宜にかなった有意義なものとなりました。 さて6月6〜8日にドイツ・ハイリゲンダムでG8サミットが開催されます。これに向けて安倍首相は、「美しい星へのいざない」を5月24日に発表しました。また「21世紀環境立国戦略策定に向けた提言」(中央環境審議会意見具申)が29日にまとまりました。さらにこの提言を踏まえ政府は6月1日、閣議決定を行いました。わが国の温暖化対処方針が出揃ったことになります。 |
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去る5月30日(水)16時から、港区芝公園1-5-10 芝パークホテルにおいて、会員を対象としてAIRIES環境懇話会が開催されました。
今回は、独立行政法人国立環境研究所参与、そして地球環境研究総合推進費 戦略研究開発プロジェクト「脱温暖化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評価・予測、立案手法の確立に関する総合研究プロジェクト(2050年脱温暖化社会プロジェクト)」のプロジェクトリーダーなど数々の要職に就かれている 西岡秀三氏をお招きし「低炭素社会の到来 −その必然性と実現可能性−」をテーマにご講演いただきました。 既にご承知のとおり、今年の2月に同プロジェクト研究チームは、2050年の日本の二酸化炭素 (CO2)排出量について、産業構造やライフスタイルの転換などを進めれば、生活の質や経済成長を維持したままで、1990年より70%少ない「低炭素社会」を実現できる技術的なポテンシャルが存在するという研究成果を発表しました。 都市機能集約や自動車から公共交通機関への利用転換、省エネ技術普及などでエネルギー使用量を 40〜45%削減し、石油や石炭からバイオ燃料、天然ガスへの転換、風力や太陽光発電導入を加速することでCO2の70%減は可能と結論づけています。
講演では、「どのようにすればそれが達成できるのだろうか、そのための課題は何か」 という問いに対して、今後国を挙げてなすべき低炭素社会構築のために必要な取り組みについて解説されました。今回はまだ、2050年時点での可能性検討の段階ということですが、今後はさらに投資の手順や経済評価、誘導するための政策評価へと、研究が進められる予定です。 「2050年脱温暖化社会プロジェクト」についての詳細は下記HPに掲載されていますので、ご参照下さい。 http://2050.nies.go.jp/index_j.html | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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AIRIES随筆(15)
イメージの中の中国と実際の中国
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2年前に国際環境研究協会を退職し、日本の食品メーカーへ再就職しました。その後、中国にある出資会社へ出向し食品開発の仕事に携わっています。大陸に渡ってちょうど1年が経過しようとしています。今回は私の視点から見た中国について少しお話したいと思います。 1年前、私が中国に対して持っていたイメージは、決して良いものではありませんでした。 中国に渡って最初に目にしたものは、東京ほどではないにしろ、高層ビルと建設中のマンション群が立ち並び、高速道路が張り巡らされ、テレビやラジオをつければ中国語の歌に混じって日本や海外の歌が流れ、巨大なショッピングモールには様々な国のブランド品の広告が掲げられている、そういった中国の姿でした。物質面では先進国と大差ない、豊かな風景です。正直なところこれが中国?と目を疑ったものです。写真の「中関村」は北京市にある中国最大のサイエンスパークで、「中国のシリコンバレー」と呼ばれています。
もっとも、私が見ているのは来年のオリンピック開催地の北京であり、他の地域と開発の度合が違うのは当然かもしれません。ですが、少なくとも私が中国に対して持っていた負のイメージの一部は音を立てて崩れおち、胸をなでおろしたのを覚えています。もしイメージ通りの中国であったら、言葉も何もわからずに来て、本当に生活できるのだろうかという不安を持っていたからです。 しかし、住み始めてしばらくすると、街の所々に綻びが見えてきました。巨大なショッピングモールには空の店舗が目立つだけでなく、立ち並ぶマンションや高層ビルにも空室が多く、とても違和感を覚えました。言い換えれば、経済の成長速度に合わせて都市化は進んでも、都市の枠だけが急成長し、中身はまだまだ追いついてきていないように感じられたのです。同じ北京でも富裕層と一般層との格差は激しく、外国人や裕福な人が多く住む中心街から外れると、近代的な風景からとたんに古い建物が立ち並ぶ、埃っぽい田舎町へ変化していきます。それは、ちょうど何十年か前の日本の田舎へ時間を超えて迷い込んだような感じです。そこには、衛生的には見えない料理店、荷車を引くロバ、埃っぽい道等、私が最初にイメージしていた中国に近い風景が広がっています。
それでは、中国に住む人々についてはどうでしょう。私のまわりに居る人達を見ての判断しかできませんが、とても人懐っこく、優しい人たちが殆どです。しかし、日本のニュースで流れる中国人のイメージは決して良いものばかりとはいえません。最近のニュースでも、特に食に関連する項目で大きな問題が起こりました。中国産のペットフードや薬品等による死亡事故がテレビで報道されたことは記憶に新しいと思います。 果たして、私達がはじめに中国に対して持っていたイメージは正しかったのでしょうか?答えは否です。日本人の中には中国はまだまだ遅れた国と感じている人もいることでしょう。しかし、中国はどんな形であれ、急速に変化しています。これまでの中国はコストが安い、生産拠点として見られて来ていましたが、そう遠くない将来、その図式が大きく変化するように感じます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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平成18年度において、地球環境研究総合推進費では46の研究課題が実施されていましたが、そのうち14課題は平成18年度末で終了となりました。今回は、これら終了した課題について紹介いたします。それぞれ2〜5年間の研究成果がまとまり、一部は学会やマスコミに発表されていますが、今後もさらにその知見が発表され活用されると期待されます。 これらの研究に対しては、これから事後評価が行われ、その結果は研究の最終成果報告書と合わせて10〜11月頃にインターネット上に公開される予定です。 (カッコ内は研究代表者及び所属。「NIES」は 国立環境研究所) ◎S-1「21世紀の炭素管理に向けたアジア陸域生態系の統合的炭素収支計算」(元筑波大学 及川武久) ◎A-1「オゾン層破壊の長期変動要因の解析と将来予測に関する研究」(NIES 今村隆史) ◎A-10「衛星観測データを利用した極域オゾン層破壊の機構解明に関する研究」(NIES 中島英彰) ◎B-2「温室効果ガス観測衛星データの解析手法高度化と利用に関する研究」(NIES 横田達也) ◎B-4「能動型と受動型リモートセンサーの複合利用による大気汚染エアロゾルと雲の気候影響研究」(東京大学気候システム研究センター 中島映至) ◎B-12「極端な気象現象を含む高解像度気候変化シナリオを用いた温暖化影響評価研究」(NIES 江守正多) ◎B-60「京都議定書吸収源としての森林機能評価に関する研究」(早稲田大学 天野正博) ◎D-4「大型船舶のバラスト水・船体付着により越境移動する海洋生物がもたらす生態系撹乱の動態把握とリスク管理に関する研究」(神戸大学 川井浩史) ◎E-4「熱帯域におけるエコシステムマネージメントに関する研究」(広島大学 奥田敏統) ◎F-3「侵入種生態リスクの評価手法と対策に関する研究」(NIES 五箇公一) ◎G-2「北東アジアにおける砂漠化アセスメント及び早期警戒態勢(EWS)構築のためのパイロットスタディ」(東京大学 武内和彦) ◎H-7「中長期的な地球温暖化防止の国際制度を規律する法原則に関する研究」(早稲田大学 大塚直) ◎H-9「物質フローモデルに基づく持続可能な生産・消費の達成度評価手法に関する研究」(NIES 森口祐一) ◎FS-053「環境税改革の経済分析−企業の技術開発を通じた経済効果に関する予備的研究−」(大阪大学 小野哲生) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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